はかま姿の弓道女子高生5人に男児がおんぶされて介護されて助けられる事案が発生

動けない…路上の男児を弓道部5人が救護　試合後のはかま姿でおんぶ

路上で動けなくなっていた小学生の男児を連係して救護したとして、京都府警川端署は8日、京都府立城南菱創（りょうそう）高（宇治市）の2年生の女子生徒5人に感謝状を贈った。
5人とも弓道部員で当時は団体戦を終えて帰る途中だったため、試合で着たはかま姿のまま救護に当たったという。

5人は赤松琉衣さん（17）▽西岡美咲さん（16）▽白井遥季（はるき）さん（17）▽加藤美和さん（16）▽松本彩花さん（16）。

同署と5人によると、9月19日午後3時50分ごろ、京都市武道センター（同市左京区）で弓道の団体戦を終え、帰宅途中だった5人が近くの路上の端で膝を抱え、座り込んでいる小学3年の男児を発見。赤松さんが「大丈夫ですか」と声を掛けると、男児は青白い顔で弱々しく「気持ちが悪い」と答え、友達と遊んでいるうちに気分が悪くなり動けなくなったと話したという。

この日の京都市の最高気温は29・6度で、男児は熱中症だったとみられる。男児の自宅の場所は分かったが、男児一人では歩けなかったため、赤松さんがおんぶをして家まで連れて行くことにした。

赤松さんは試合で使用した弓（長さ約2メートル）や矢筒を背負っていたため、他の4人が分担。「吐きそう」とつぶやいた男児を休ませる時には、松本さんが自分の体で日陰を作り、白井さんがうちわであおいで介護した。途中で川端署が目に入り、通行人の助言もあって同署に保護を依頼。男児は病院に搬送されたが、無事だった。

10月8日には同校で贈呈式があり、5人は上岡賢司署長から感謝状を受け取った。

5人は部の先生から「仲間の足りない部分をカバーしなさい」と指導されてきたといい、加藤さんは「男の子を運ぶ際も、お互いどう助ければ良いか考えながら動けた」と振り返る。
男児を最初に見付けた赤松さんも「みんながいなければできなかった」、西岡さんは「一人だったら、声を掛けられなかった」と話した。上岡署長は「世の中には知らん顔をして通り過ぎてしまう人も多い。（男児の）親御さんも喜んでいた」と感謝した。【千金良航太郎】

感謝状を贈られた白井遥季さん（下段左）、松本彩花さん（同右）、西岡美咲さん（上段左から2番目）、赤松琉衣さん（同3番目）、加藤美和さん（同4番目）＝宇治市の府立城南菱創高で2021年10月8日午後0時46分、千金良航太郎撮影

https://mainichi.jp/articles/20211008/k00/00m/040/236000c