ジャップと、豆の木

コロナ禍の花粉症 注意点は

花粉症についてです。
日本気象協会の予測では、近畿地方では来月中旬から、スギ花粉が飛び始める見通しです。
コロナ禍のことし、専門家はくしゃみで感染を広げないよう、今からでも対策を始めてほしいとしています。

【ことしの飛散量は】。
日本気象協会の予測によりますと、ことしの花粉の飛散は、九州や四国、東海や関東の一部では、来月上旬に始まる見通しです。
近畿地方では例年よりやや早い来月中旬から、このうち大阪では２０日ごろからスギ花粉が飛び始め、ピークは３月上旬としています。
花粉の飛散量は、近畿地方では例年に比べると５割ほどの見通しですが、飛散量が非常に少なかった去年と比べると、４割ほど多くなるということです。

【花粉症 街の人は】。
コロナ禍で花粉シーズンが到来するのを前に、ＪＲ大阪駅前では、くしゃみが気になるので、例年以上に対策を取りたいといった声が聞かれました。
花粉症でくしゃみや鼻水の症状があるという７０代の男性は「くしゃみをするとき、人の目は今まで以上に気になります。コロナの前は人からにらまれることはありませんでしたが、こういう時代なので、くしゃみ一つでもかなりみんなから警戒の目で見られるのではないかと思います」と心配していました。
また、同じく花粉症に悩む５０代の女性は「花粉症の人は我慢をしてもくしゃみが出てしまうので、いつも以上に症状を抑えられるよう、薬を飲む時期を早めたりして対策を取りたいです」と話していました。
一方、８０代の女性は「自分は花粉症ではありませんが、こういう時期なので、横にくしゃみをする人がいるとやはり嫌だなと思ってしまいます」と話していました。

【製薬会社の調査では】。
大手製薬会社が新型コロナとくしゃみに関する意識調査を実施したところ、「新型コロナの流行後、人や自分のくしゃみが気になる度合いが増した」と回答した人が８割を超えました。
この調査は、大手製薬会社のノバルティスファーマが、インターネットを通じて、首都圏に住む２０代から４０代の男女６００人を対象に、先月、実施しました。
新型コロナの感染拡大で、人のくしゃみが気になる度合いが変化したか尋ねたところ、「かなり気になるようになった」と答えた人が２９.８％と最も多く、「気になるようになった」、「やや気になるようになった」とあわせて８０.３％の人が、より気になるようになったと答えました。
自分のくしゃみに対する周囲の目についても、より気になるようになったと答えた人が、あわせて８８.４％に上りました。
花粉症によるくしゃみが感染リスクになると思うか尋ねたところ、８３.８％の人が、「とてもリスクになる」か、「リスクになる」と答えました。
調査に回答した人のうち、自分が花粉症だと自覚している人は全体の５６.５％で、今シーズンの治療については、「前年より力をいれたい」と答えた人が２３.９％だった一方、７割以上の人が特に変わらないと答えています。

【専門家“早めの受診を”】。
アレルギーや花粉症に詳しい、近畿大学病院の東田有智院長は「無症状患者が、花粉症の症状でくしゃみをすることで、感染を拡大させるリスクがある」として、早めの対策が重要だと指摘しています。
また、目のかゆみや鼻をかむために顔を触る機会が増えることから、感染のリスクを高めるとしています。
のどや鼻の粘膜に炎症が起き、くしゃみや鼻水などの症状が出始めると、薬で抑えるのは難しいということで、花粉の飛散が始まる前に受診して薬を飲み始めることが重要だとしています。
東田院長は、今シーズンは新型コロナ対策で換気をしていることから、室内に入る花粉の量が増える可能性があるとしていて、「もし新型コロナに感染していたら、くしゃみだけで通常の呼吸よりも多い量の飛まつが出てしまう。いくらマスクしていても、周囲への影響もあるので、飲み薬と点鼻薬や目薬を併用して、十分に対策をしてほしい」と早めの受診を呼びかけていました。

https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20210126/2000040419.html