富山の中学校「全員マスクを外して卒業式！合唱もしちゃう！実現させた教員と生徒の強い絆」

「卒業式に3年生全員がマスクを外して参加できないか」模索続けた中学校 教職員と生徒たちとの“強い絆”
https://www.fnn.jp/articles/-/335105

その頃、感染者が確認されていた芝園中学校。
感染状況を考えれば、対策として欠かせないマスクを外すという判断は難しい状況でしたが、教職員たちは模索を続けました。

＊芝園中学校　高木健吉校長「何でもやらない方が簡単。これやめよう、あれやめようとか。やめていけば簡単なんだけど、子ども達の中学校生活って一生に一度しかない。もっというと今の卒業生って、この２年間で行事が制限されている学年。むやみに恐れるのではなく、正しく恐れていく。そのためにデータをきちんと出してもらって、それを我々も確認して対策を考えていく」

教育現場で猛威を振るう第6波。
マスクなしの卒業式はどうしたら実現できるのか。

中学校長会の会長を務める高木校長が判断を仰いだのが、委員を務める富山市の
新型コロナ対策検討会議。
検討会議ではこの2年、教育現場で過度な感染対策によって学びの場が奪われないようあらゆる場面における指針を医学的見地から示してきました。
検討会議は、合唱時の飛沫の飛散距離などのデータをまとめ、感染状況などを踏まえた結果、マスクなしでも卒業式が行えると判断しました。

＊3年Ｄ組　高瀬優子教諭「中心線から板13枚とかいろいろあったり、マイクの入れ替えを担当してもらう生徒とか、かなり変わってここまで来ました。あとは子ども達を信じて、子ども達が精いっぱい自分たちのことを表現してくれたらと思っていて、送り出すというのはおこがましいというか、最後の卒業式、みんな揃って晴れやかな顔を保護者に見せて卒業してくれたら」

そして迎えた3月15日、卒業式当日。
卒業生たちは、入場から退場までマスクを外して式に臨みました。

式では、共有するマイクはその都度消毒され、飛沫が飛ぶ場面ではパーティションを準備するなど、感染対策が徹底して行われました。

＊3年Ｄ組　高瀬優子教諭（卒業式をバックに）「いろんなことを我慢していく中で、いらつくというか、どうして私達だけというところがきっとあったと思うが、友達と距離をとって過ごしなさいとか、給食も前を向いてしゃべらずに食べなさいという指示もあるが、まず何よりも命を大事にしてほしい」

＊卒業式前に先生への色紙をつくっていた生徒は「高瀬先生も含めた教職員は、私たちのことを考えて動かないといけないので、私たち以上に大変だったと思う。私達の生活にはいろいろ出来ないこともあるが、それでも私たちは受検が控えているし、そういうのを思って言ってくれていたんだなって思っているから、学校生活の私たちを支えてくれている大切な人」

強い絆で結ばれていた、教職員と生徒たち。
マスクのない卒業式には、生徒たちのちょっぴり誇らし気な表情が見られました。

卒業式の後、教室に戻り、卒業生から担任の先生に色紙のサプライズプレゼントです。

＊3年Ｄ組　高瀬優子教諭がクラスの卒業生に最後の言葉「幸せの決め方は自分次第だと思うので、あれが出来ていない、これが出来ていないじゃなくて、学校行事でやったように、これならできる、できそうだという、自分の中の自信を増やしていって、自分を信じて自分の人生を楽しんでほしい」

県内で新型コロナの感染が拡大してまもなく丸2年。
感染対策が続く教育現場で、学びや学校生活のための模索が続きます。