日本の街って全てがチビガリホビット向けに設計されて最悪だよな！！俺みたいな恵体(１９８㎝１８７㎏)には不便でしょうがない

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「トールキン　旅のはじまり」　小説世界を投影しながら

Ｊ・Ｒ・Ｒ・トールキン。ご存知（ぞんじ）、「ホビットの冒険」「指輪物語」の英国の作家だ。あの壮大な冒険ファンタジーの作者の、これは、前半生に照明を当てた伝記映画である。

　１２歳で孤児になったトールキンは、後見人の神父の計らいで、バーミンガムの名門校に通う。言語学と創作に秀でる彼は、３人の少年と親しくなる。画家志望のロバート、劇作家をめざすジェフリー、作曲家を志すクリストファー。４人は「芸術の力で世界を変えよう」と意気投合する。

　トールキンは、同時に、エディスという恋人を得る。曲折を経て、後に妻となる女性だ。オックスフォード大を出てまもなく、第１次大戦に従軍する。

　フィンランドの監督ドメ・カルコスキは、いささか並とは違う肌合いの作品に仕立てている。伝記映画の常套（じょうとう）とはいえ、主人公の後年の足跡を映画の現実に色濃く投影させるのだ。

　冒頭の戦場のくだり。トールキンは命の危険を顧みず、ジェフリーの安否を気づかって塹壕（ざんごう）をさまよい歩く。高熱に浮かされた彼は幻覚を見る。砲煙の中にモンスターを、炎の中にドラゴンを。また、回想の少年時代。そこはホビットの村そのものではないか……。いわば、虚構の小説の一部が象眼されたようなあんばいで、トールキン・ファンは喜ぶに違いない。

　ただ、惜しむらくは構成に整合性を欠くことである。友情と恋が二本柱なのに、口あたりのいい友情に熱中し、恋の味加減を疎（おろそ）かにした観があるのだ。

　しかしトールキンのニコラス・ホルトら演技陣はすばらしく、ひとかどの娯楽作品として楽しめよう。