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竹内浩三生誕100年、ゆかりの地で顕彰の動き　三重

太平洋戦争で戦死した三重県伊勢市出身の詩人、竹内浩三（1921～45）。その生誕100年を記念し、作品の魅力を広め、資料を後世に継承する事業がゆかりの地で進んでいる。詩碑の建立や記念イベントの開催、収集資料のデジタル化などが予定されている。

　浩三は1921（大正10）年、宇治山田市（現伊勢市）生まれ。地元の明倫小、旧制宇治山田中を経て40年、日大専門部（現在の芸術学部）映画学科に入学。在京の中学時代の友人らと同人誌「伊勢文学」を発行し、詩や漫画、短編小説を発表した。42年9月に繰り上げ卒業して陸軍に入営し、45年4月にフィリピンで戦死した。

　検閲や密告が常態化していた戦時下、転属先で手帳に書きつづった「筑波日記」は、当時よく出版されていた宮沢賢治の本をくりぬいてはめ込み、三重県松阪市に住む姉、松島こうのもとに届けられたという。

　松阪市が63年の市制30年事業で戦没兵士の手紙集の出版事業に取りかかった際、こうが浩三の遺稿集を持ち込んだ。「戦死やあわれ　兵隊の死ぬるや　あわれ」で始まる詩「骨のうたう」が編集委員たちの目にとまり、詩人・竹内浩三が世に知られるきっかけになったという。

　その後、浩三の遺稿集は本居宣長記念館（松阪市）に寄贈。浩三の友人たちから寄せられた分も含めると、資料は約600点にのぼる。ただ、「インクが揮発したり、酸性紙のため劣化が早く進んだりする資料がある」（井田もも学芸員）といい、記念館はスキャナーやカメラなどで資料をデジタル化した上で公開する方法を模索している。

　記念イベントも始まっている。浩三の誕生日（5月12日）に近い5月8日、伊勢市立小俣図書館の舞台で代表作「骨のうたう」や「日本が見えない」などの詩を朗読する会が開催。明倫小の児童や地元市民らでつくる劇団伊勢の団員が十数編を詠み上げた。この朗読は録画され、6月上旬に動画サイトYouTubeで公開される予定だ。

　11月23日には、生誕100年事業のメインイベント「さあ、竹内浩三を語ろう　歌おう」が催される。浩三を書いた本を出版した作家や伊勢市出身の劇作家らによる対談や声楽家による詩の朗読、合唱などが予定されている。

　このほか、詩碑の建立や演劇の上演なども予定されている。これらの生誕100年事業の資金集めのため、地元やゆかりの団体・個人でつくる実行委員会はクラウドファンディング（https://motion-gallery.net/projects/takeuchi-kozo別ウインドウで開きます）を6月末まで実施するほか、寄付を9月末まで受け付ける。3千円以上寄付した人には記念品を贈る。問い合わせは実行委事務局の伊勢文化舎

改札口を出る～頃には～

泣けるわ