ヒッチハイクの家出中学生を発見して保護した夫妻に感謝状。妻(25)「子供を見捨てられなかっただけなのに感謝状をいただいていいのか」

車をUターン、家出した中学生を保護　福岡・直方の夫婦に感謝状
2023/2/3 21:46（最終更新 2/3 21:58）

　家出した男子中学生を保護した福岡県直方市の会社員、高下真（しん）さん（30）と希望（のぞみ）さん（25）夫妻に3日、直方署から感謝状が贈られた。

　2人によると、2022年12月5日午後9時半ごろ、久山町の犬鳴トンネル近くを車で通りかかった希望さんが、携帯電話のライトを振ってヒッチハイクしようとする少年に気づいた。希望さんはいったん追い越した後、Uターン。事情を聴くと、少年は「家も学校も嫌になった」と話し、同日午後6時ごろ福岡市の家を出て、自転車で埼玉県の友人のところまで向かう途中だと明かした。

　希望さんは「こんなところで放置できない」と自宅にいた真さんに連絡。真さんのワンボックス車で自転車を運び、少年を宮若市内の飲食店で食事させた。その後、少年とともにコンビニエンスストアに立ち寄り、少年の親戚から連絡を受けた警察が少年を保護した。

　同署の加藤雅秋署長は「2人のおかげで大事な命が救われた」と礼を述べた。希望さんは「子供を見捨てられなかっただけなのに、感謝状をいただいていいのか」。真さんは「無事に（少年が）家に戻ってよかった」と話した。【武内靖広】

https://mainichi.jp/articles/20230203/k00/00m/040/319000c