「全力で挑みたい」プロ棋士編入受験の里見香奈女流王座　一問一答

　女性で初めて将棋のプロ編入試験を受験する里見香奈女流王座（30）＝女流4冠＝が大阪市福島区の関西将棋会館で6日、記者会見し、「厳しい戦いにはなると思うが全力で挑みたい」などと意気込みを語った。記者会見のやりとりは次の通り。【新土居仁昌】

　――プロ編入試験の受験資格を得た当初は受験に前向きでない印象もあった。その後、どんな心の働きで今回の決断にいたったのか。
　◆（資格を獲得してから）1カ月あったが、あまり深く考えるということではなく、他棋戦の対局を全力でこなしていた。その中であまり考える余裕もなく、挑戦したい気持ちが出てきたのでそうすることにしました。

　――編入試験への意気込みを。
　◆正直、自分の実力からすると厳しい戦いにはなると思うが、試験までにできる限りのことをして全力で挑みたい。

　――幅広い世代、とりわけ女性に注目される試験になることへの気持ちは。
　◆自分自身は悔いのないように過ごしていきたいなと思っているが、その中で周りの皆様に何か届けられることもできたらいいと思っています。

　――女性初という点についてはどんなふうに感じているか。
　◆これだけ多くの方に注目されるのは大変うれしいと思うと同時に、そういうことが珍しくないような社会になればいいと思う。ただ、私自身は自分のことで精いっぱいなこともあるので、一つ一つ目の前のことに全力で取り組めたらいいなと思う。

　――将棋は頭脳ゲーム。男女の体力差があるスポーツとは違い、将棋における男女の差はどういうふうに感じているか。
　◆歴史も違うので何とも言えないところはあるが、現状としてはかなり差があると感じているので少しでも埋められるようにというか、お隣の囲碁界では男女関係なく拮抗（きっこう）している印象を受けるので、そういったことも私自身の刺激になっています。

　――女流棋士とは違うプロ棋士への思いは。
　◆奨励会に編入したときはかなり意識していたというか、棋士になることだけをやってきたが、今はどちらかというとそういうわけではなくて、純粋に将棋が大好きなので、少しでも自分の棋力向上を目指して、強い方々と対局したいなという思いだけです。

いかそ
https://mainichi.jp/articles/20220706/k00/00m/040/090000c

相手は失うものが少ないって将棋ではあるけど、
これだけ注目された将棋で負けたら嫌なレッテルが一生付きまとう