文藝春秋社員 ｢最近の政治家は本当につまらなくなった｡もっとキャラの立った人はいないのか｣

『無敗の男 中村喜四郎 全告白』　　常井健一（著）／文藝春秋／￥1900+税

最近の政治家は本当につまらなくなりました。昭和の政治家は、『小説吉田学校』の登場人物のように
みんなキャラが立っていた。その点、中村喜四郎は、今でも昭和を背負い、「劇画」の主人公のような
人生を歩み続けています。「田中角栄最後の愛弟子」として鮮烈なデビューを飾り、43歳で建設大臣になるなど、
「建設族のプリンス」として栄華を極めた、「総理大臣になるはずの男」。それが、ゼネコン汚職で逮捕され、
塀の内側へ。しかし、ここからが新しいドラマの始まりです。取り調べで「完全黙秘」を貫き、
特捜検事をして「男の中の男」と言わしめたことは、今も永田町の伝説となっています。また、逮捕後、
マスコミに一切出ないことから「沈黙の男」とも呼ばれてきました。それでいて、刑務所にいる間に
行われた1回を除いて、総選挙で14戦全勝。小泉元総理も彼を「日本で一番選挙に強い男」と認めています。
そんな男が、25年の沈黙を破って、人生のすべて、政界の裏の裏、有名政治家の素顔を赤裸々に語ったのが本書です。
（ノンフィクション編集委員 吉地真）

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