淫魔との混血という悪評を実力で無理矢理捻じ伏せてアカデミーの一線で頑張っている孤独で若くて優秀な研究者ちゃん「私を雇いたい?」

1 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/01/05(日) 00:46:21.648 ID:gGPFVxxH0
結構閲覧注意かもしれない
2 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/01/05(日) 00:46:52.104 ID:gGPFVxxH0
研究者ちゃん「……ああ、あなたが噂の……」

研究者ちゃん「……あれでしょう? なんでも、古代都市の遺跡の深部に用があるんですって?」

研究者ちゃん「そこに同行できるレベルの人間がいないか、あちらこちらで尋ねまわっているって話を、廊下で誰かがしていたけれど……」

研究者ちゃん「……随分と物好きな人間もいたものだって、思っていたわ」

研究者ちゃん「だって、あんな危険な場所……よっぽどの事情が無ければ入りにいかないわ。いえ、話さなくていいわ、事情」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「それで、私に声を掛けてきたってことよね?」

研究者ちゃん「ふうん」

研究者ちゃん「……」

3 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/01/05(日) 00:47:32.359 ID:gGPFVxxH0
研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……あなた、私のことはどうきいているの?」

研究者ちゃん「何をって……あちらこちらでききまわったのでしょう? 少なくとも、良い噂はなかったんじゃない?」

研究者ちゃん「私は、みんなに妬まれているからね」

研究者ちゃん「……どうせ、いろいろ好き放題言っていたのでしょう?」

研究者ちゃん「あること、ないこと。ねえ?」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……だって、そうでしょう?」

研究者ちゃん「若くて、優秀で、結果も出していて」

研究者ちゃん「周りの凡才を蹴落として、出世ばかりしているから」

研究者ちゃん「私には、敵が多いの」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……ふん。まあ、いいわ」

研究者ちゃん「つまらないことは気にしない人なのね、あなた。そういうの、いいと思うわ」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……他の奴には誰に頼んだの? 私が最初?」

研究者ちゃん「ふうん」

4 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/01/05(日) 00:47:54.647 ID:7slgSI+B0
なんでそんな優秀な人が孤立してるの?おかしくない?
5 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/01/05(日) 00:48:57.693 ID:gGPFVxxH0
研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「まあ、目が高い所は褒めてあげるわ……」

研究者ちゃん「……でも、悪いけれど、他を当たって頂戴」

研究者ちゃん「今は研究と雑事で手一杯だから、貴方のことは手伝えないわ」

研究者ちゃん「第一、そんな危険なところ、貴方と二人で行くのも嫌よ。貴方のこともろくに知らないのに」

研究者ちゃん「当然でしょう? そんなの……」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……別に、謝らなくていいわよ」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……まあでも」

研究者ちゃん「貴方に力を貸してくれそうな奴らのことは教えてあげてもいいわね」

研究者ちゃん「ちゃんとした頼まれごとをされておいて、何もしないのも気分がよくないから……いえ普段そう頼られる人間でも無いけれども、いいわ、それは」

研究者ちゃん「ええとこういう時は……紹介状と……あと所在と名前と経歴だけ書いておくわ……はい、どうぞ」

研究者ちゃん「……ふっ、お礼を言われるようなことなんてしてないわよ……ま、精々頑張ったらいいんじゃない? 事情は知らないけれど」

研究者ちゃん「じゃあ、私忙しいから……」

研究者ちゃん「さようなら」

6 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/01/05(日) 00:49:57.295 ID:gGPFVxxH0
研究者ちゃん「……門前払いねえ」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「まあ、そもそも無謀な話よね。やめたら?」

研究者ちゃん「あそこは一般人が行くところではないわよ。あなたがどれほど強いかは知らないけれども」

研究者ちゃん「……だから、事情なんて聞かないったら」

研究者ちゃん「ていうか私も忙しいのよ。ご希望に添えなくてご愁傷様。さっさと郷に帰ったら?」

研究者ちゃん「……ああ、うざったい」

研究者ちゃん「……その情けない顔、やめてくれないかしら? 私が悪いみたいじゃない」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「ええ、そうね、あなたが無理を言っているのよ。自覚が無いかと思ったわ」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「あのねぇ、そうやって地面に頭こすりつけるのやめてくれない? 私そういうの慣れていないの」

研究者ちゃん「あなた、恥ずかしくないの?」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……なんでも、ねえ」

研究者ちゃん「……」

7 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/01/05(日) 00:50:59.490 ID:gGPFVxxH0
研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……ふむ」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……あなた、遺跡の深部に行くって言うからには、そこそこ腕は立つのよね?」

研究者ちゃん「……手先は器用な方かしら? 要領はいい方?」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「ふうん……」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「私、忙しいって言ったじゃない?」

研究者ちゃん「……要するに、人手が足りないせいなのよね。私今、ジジイ共や面倒な同僚から嫌がらせを受けていて」

研究者ちゃん「ほら、私妬まれているから? まあ、そんな下劣な馬鹿どもに負ける私じゃないけれども……」

8 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/01/05(日) 00:52:00.481 ID:gGPFVxxH0
研究者ちゃん「……それでも、大量の雑事を押し付けられたりとか、学内の人手、設備を貸してくれないとかが日常茶飯事で、まあ、面倒ではあるわけ」

研究者ちゃん「研究に必要なフィールドワークだって、魔物の出る場所なんてしょっちゅうだし」

研究者ちゃん「勿論、私自身戦えないわけでもないけれど、魔力の都合もあるわ」

研究者ちゃん「予算だって、ケチられて碌に使えない」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……貴方も悪い人間ではないようだし? ここにいる連中みたく意地悪いわけでもないし?」

研究者ちゃん「こうして頼み込んでくるくらいだから、少なくとも、私のことが嫌ってわけでもないのでしょう?」

研究者ちゃん「……だから、まあ、何かしらね? ううん」

研究者ちゃん「貴方が私の役に立ったら協力してあげるわよ?」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……そんな礼を言われることじゃないわ。気まぐれみたいなものだし、見合うだけの働きをしなければすぐに帰ってもらうから」

研究者ちゃん「精々働いて、私の役に立って頂戴。さもなければ即解雇よ解雇」

研究者ちゃん「ふふっ」

9 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/01/05(日) 00:52:02.074 ID:jUZSMDQ90
尋ね回ったと聞いてるのに自分が最初かと聞くのはおかしくない
10 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/01/05(日) 00:52:51.944 ID:g56KVJSg0
研究者ちゃんがゲシュタルト崩壊した
11 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/01/05(日) 00:53:07.244 ID:gGPFVxxH0
研究者ちゃん「……それなら、まずはそうねえ……雑事をやってもらいましょうかしらね」

研究者ちゃん「ほら御覧なさい、この書類の山。すべてジジイ共から押し付けられたものよ」

研究者ちゃん「今日中にこれを全部片づけないと、言いがかりの口実を作ることになるわ。だから、パパっと片づけたいの」

研究者ちゃん「内容は主に学内のつまんない些事の調整、準備とか備品の管理とかいろいろで……」

研究者ちゃん「……あなたには……うーん、そうねえ」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「面倒くさいわね。あなた何ができるの?」

研究者ちゃん「……わかっているわよ。教えればいいんでしょう、教えれば」

研究者ちゃん「……あら? これってもしかして私のやる事増えていない?」

12 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/01/05(日) 00:54:10.610 ID:gGPFVxxH0
研究者ちゃん「違うったら。何を聞いていたの?」

研究者ちゃん「……どうして一度でわからないの? あなた、頭が悪いのかしら?」

研究者ちゃん「……申し訳なさそうな顔されても、しょうがないわよ」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……単純な作業じゃない……魔力が無くてもできるはずだわ」

研究者ちゃん「ここをこうして、こうして、そしてこうよ。ほら簡単」

研究者ちゃん「ほら、やってごらんなさい」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……もう、違うったら」

研究者ちゃん「ちょっと貸しなさい、ここはこうして、こうよ」

研究者ちゃん「わかった? わかってないわね。その顔はわかってないわ」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……どうしてわからないの?」

研究者ちゃん「本当に頭が悪いのねえ」

13 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/01/05(日) 00:55:12.447 ID:gGPFVxxH0
研究者ちゃん「……ああ、もうこんな時間じゃない!」

研究者ちゃん「いつもの半分も進んでいないわ。全くもう」

研究者ちゃん「……もういいわ。今日は私が片付けるから」

研究者ちゃん「あなたはそこで見ていて頂戴。でも考えなしに突っ立っていたら駄目よ」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……いえまあ、そんなにしょぼくれなくてもいいわよ」

研究者ちゃん「……怒っていないから、私」

研究者ちゃん「ん、というか……」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……まあ、いいわ」

研究者ちゃん「……」

14 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/01/05(日) 00:56:06.492 ID:gGPFVxxH0
研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……なあに?」

研究者ちゃん「無駄口は嫌いよ、私」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……ああ、この量? いつものことよ。なんなら、今日は少ないくらい」

研究者ちゃん「面倒くさいったらないわよ。ま、この程度、大したことでもないけれどね」

研究者ちゃん「……え? ああ、言ったじゃない。嫌がらせよ、嫌がらせ」

研究者ちゃん「あいつら、とにかく私のことが気に入らないみたいでねえ」

研究者ちゃん「そのくせ、ここで権力と人望を持っているのだから質が悪いの」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……何の理由でって、知っているのでしょう? つまらない事よ」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……ああ、まあ、でも」

研究者ちゃん「……それだけでもないというか」

研究者ちゃん「……」

15 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/01/05(日) 00:57:01.743 ID:gGPFVxxH0
研究者ちゃん「……なんか、私が話すたびに、敵が増えていった気はするのよね」

研究者ちゃん「面倒なことにね。困ったものだわ」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……いや、こういうのは、誤解っていうのかしら? そうではないと思うけれど」

研究者ちゃん「……ほら、私、性格が悪いから?」

研究者ちゃん「どうも、人の気持ちがわからないらしくて?」

研究者ちゃん「……まあ、出自との因果関係は全く無いけれど」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……だから皆、私のことが嫌いなんだって」

研究者ちゃん「……」

16 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/01/05(日) 00:58:19.928 ID:gGPFVxxH0
研究者ちゃん「……へ?」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……私が優しい、っていうのは初めて言われたわね」

研究者ちゃん「おべっかのつもりかしら? あまり上手いやり方ではないようだけれど」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……別に、大したことしてないわよ」

研究者ちゃん「ただ、あなたをこき使えるかなって考えただけだし……」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「別に私は、優しくしようなんて、思ってなかったわよ」

研究者ちゃん「……そういうのでは、ないわ」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……何が誤解よ、むかつくわね」

研究者ちゃん「人の心を勝手に推し量ろうとしないで頂戴」

17 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/01/05(日) 00:59:16.448 ID:gGPFVxxH0
研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……だ、だいたい」

研究者ちゃん「あなたの方が優しいのではないかしら?」

研究者ちゃん「正直私、今日あなたにきついことを言っていた自覚はあるのよ?」

研究者ちゃん「でもあなた、全然怒らないのね。他の奴ならすぐに怒り出すところなのに、気にしててもあなたそんな気配全然させないんだもの」

研究者ちゃん「あなたってもしかしてお人よしってやつかしら? でも優しい人が誰かのことを優しいって言っても何の説得力も無いのよ?」

研究者ちゃん「だからこの話はもうおしまい。早くやることを片付けるから、あなたはしゃべらないで頂戴」

研究者ちゃん「謝らなくていいわよ。あなたが謝る必要なんてない。ないんだから」

研究者ちゃん「ああ、やりにくいったらないわよ、全くもう」

研究者ちゃん「……何見ているのよ!」

研究者ちゃん「ああ!? それなら存分に見たらいいじゃない! もう!」

19 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/01/05(日) 01:00:31.510 ID:gGPFVxxH0
研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……あら」

研究者ちゃん「今日は早いじゃない。まさか私より早く研究室にいるだなんて」

研究者ちゃん「……ふうん。殊勝ねえ」

研究者ちゃん「いいじゃない。いい心がけよ」

研究者ちゃん「○○って、本当に真面目よねえ。ああ、これ褒めているのだけれど」

研究者ちゃん「それなら、今日もたくさん働いてもらいましょうか」

20 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/01/05(日) 01:01:24.263 ID:gGPFVxxH0
研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……うんうん」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……ライン、構成、配置」

研究者ちゃん「全て問題なし。作業時間も問題ないわ」

研究者ちゃん「ふふ、できるようになったじゃない、○○」

研究者ちゃん「ま、私の教え方が良かったのもあるでしょうけれど?」

研究者ちゃん「でも、これで安心していたら駄目よ、○○」

研究者ちゃん「まだまだ至らない点はあるからね。今からそれを説明してあげるわ」

研究者ちゃん「ふふん」

21 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/01/05(日) 01:02:08.237 ID:gGPFVxxH0
研究者ちゃん「いい? この魔物は針に魔力を溜め込む特殊な機構を持っていて」

研究者ちゃん「針に炎を近づけると……ほら」

研究者ちゃん「ね? 凄いでしょう? でしょう?」

研究者ちゃん「ふふん……魔物の生態は中々どうして、奥深いものなのよ」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……まだまだ面白い話はたくさんあるわよ? 時間もあるし、もう少し話しましょうか」

研究者ちゃん「……いいのよ……しばらくは私と一緒に働くのだから、やっぱり研究の面白さをわかっていないとね」

研究者ちゃん「ちょっと待っていなさい、すぐに試料を持ってくるから」

研究者ちゃん「ううん……どれがいいかしらねえ。あ、これなんて面白いかしら……」

22 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/01/05(日) 01:03:20.693 ID:gGPFVxxH0
研究者ちゃん「この辺りは特殊な地形をしていてねえ」

研究者ちゃん「……本来、魔物が生息するには不向きな場所なのだけれど、ある条件が揃っていることで、とある機構を持った生物が生息することができて」

研究者ちゃん「今回採取をしに行くところもそういった地形的な条件を考えることで、魔物の巣のある場所を……」

研究者ちゃん「……あ、ごめんなさい。私ばかり話をしてしまって。退屈だったかしら?」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……そう? そうかしら? でもそうよね、我ながら面白い話をしているものね?」

研究者ちゃん「……○○は、ちゃんと興味を持って聞いてくれるから、こちらも話がし易いわ」

研究者ちゃん「……暇な道中もねえ、話し相手がいてくれると……あら、ここ良い感じね」

研究者ちゃん「○○、荷物をちょっと下ろしてくれないかしら? ……ありがとう」

研究者ちゃん「……うん。ここにしましょう。早速採取の準備をしてくれる? ○○」

23 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/01/05(日) 01:04:18.001 ID:gGPFVxxH0
研究者ちゃん「○○! 来るわよ!」

研究者ちゃん「そいつの武器は毒のある尻尾が本命だから、そこに注意して!」

研究者ちゃん「まだよ、引き付けるから……今よ!」

研究者ちゃん「……っ」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……ふう」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……二人いると、魔物退治も楽ねえ」

研究者ちゃん「助かったわ、○○。中々やるじゃないの」

研究者ちゃん「ふふん……」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……」

25 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/01/05(日) 01:05:35.422 ID:gGPFVxxH0
研究者ちゃん「○○」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……お疲れ様」

研究者ちゃん「今日も頑張ってくれているわね。感心感心」

研究者ちゃん「○○のおかげで、私の研究も随分と進んでしまったわ。ははん」

研究者ちゃん「ふふん……」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……それで、○○は今何をしているのかしら?」

研究者ちゃん「ふふーん、どれどれ……」

研究者ちゃん「ふんふん……」

研究者ちゃん「……ばっちりね、○○。やるじゃない」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……」

26 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/01/05(日) 01:06:17.085 ID:gGPFVxxH0
研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……でも、○○」

研究者ちゃん「……今日のところはこれくらいにして」

研究者ちゃん「……ご飯でも、食べにいかない?」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……なにを驚いているのよ」

研究者ちゃん「……あら、いいじゃない、今日くらい」

研究者ちゃん「最近は、余裕もあるから大丈夫よ」

研究者ちゃん「根を詰め過ぎるのも、何だし? 私もたまにはゆっくりしたいわ」

研究者ちゃん「……あなたがどうだかは、知らないけれども」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……なに? その苦笑」

研究者ちゃん「……いくの? いかないの? どっち?」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「ふふん。よろしい」

27 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/01/05(日) 01:07:09.457 ID:gGPFVxxH0
研究者ちゃん「ま、存分に食べなさい。お金は私が出してあげる」

研究者ちゃん「ふっ、いいのよ。私はあなたよりたくさんお金を持っているから。遠慮される方が侮辱だわ」

研究者ちゃん「大体この程度の金でけちけちする方が度量も狭いってものよ。いいから奢られなさい」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……○○は、真面目よねえ」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……これくらい、最近の○○の働きぶりはちゃんと評価しているんだから」

研究者ちゃん「仕事終わりにこうやって美味しいものを食べて、お酒を飲むのが一日の楽しみらしいし?」

研究者ちゃん「遠慮しないで、食べたらいいんじゃない?」

研究者ちゃん「ふふん」

28 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/01/05(日) 01:08:07.608 ID:gGPFVxxH0
研究者ちゃん「……って、中々の食べっぷりね」

研究者ちゃん「そんななりして、えげつない運動量で動くわけだわ。まったく」

研究者ちゃん「一緒に歩いているだけで、私が息切れしちゃうんだから……」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……私は、いいのよ。小食だから」

研究者ちゃん「私、あまりお腹が空かない方なの。お酒だけ飲ませてもらうわ」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「ふう、おいしいわね」

29 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/01/05(日) 01:09:08.259 ID:gGPFVxxH0
研究者ちゃん「……でー、本当にあり得ないのよー、あのジジイども……何度絞め殺そうかと思ったかー……」

研究者ちゃん「あり得ないくらい妨害してきてー、こっちは散々結果出してるのにー」

研究者ちゃん「しかもそれを黙認されてる状況もおかしいわよ……何なの……本当に糞だわ……学内ヒエラルキーなんて糞……」

研究者ちゃん「私は真面目に研究しているだけなのにねー……嫌になっちゃうわー」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……はあ、辛い」

研究者ちゃん「……○○ー、聞いてるー?」

研究者ちゃん「なに優し気に苦笑しているのよ……あなた、本当、そういうところ」

研究者ちゃん「はー……」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……でも負けたりなんかしないわ」

研究者ちゃん「私は研究を進めて、出世して、トップに躍り出て」

研究者ちゃん「……そうしたら、私は」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……ふう」

30 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/01/05(日) 01:09:58.942 ID:gGPFVxxH0
研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「でも、最近は、あまり辛くない、かも……」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……やっぱり二人だと違うわねえ、1週間分の仕事が2日で終わるんだもの」

研究者ちゃん「正直、最初はそこまで期待していなかったけれど、中々頑張ってくれているし?」

研究者ちゃん「なんならずっとここで働いて欲しいわよ、ふふふ、ふふ……」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……魔物との戦闘だって、私一人だとねえ」

研究者ちゃん「……大抵の敵は別に、魔術一発で倒せるけれど」

研究者ちゃん「でも、やっぱり、魔力を使いすぎるのは、怖かったから……」

研究者ちゃん「だから、最近は安心して、フィールドワークに出られているわ。これも○○の……」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……え? ああ」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……」

31 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/01/05(日) 01:10:54.670 ID:gGPFVxxH0
研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……○○にだから、話すけれど」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……ほら、私って、その、アレじゃない」

研究者ちゃん「出自が、その、まあ、混じっているわけで……」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……で、でも、私は、そういうのじゃなくて」

研究者ちゃん「魔力で補っているから、大丈夫なのよ」

研究者ちゃん「今まで、それで、何とかなってきているから」

研究者ちゃん「だから、まあ、怖いって言うのは、そういうこと……」

研究者ちゃん「別に、私は魔力が多い方だから、滅多にそういうことはないけれど……」

研究者ちゃん「……」

32 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/01/05(日) 01:11:41.707 ID:gGPFVxxH0
研究者ちゃん「勿論、○○なら、わかってくれていると、思うけれど」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「最近、噂で、なんか、男を、その、連れ込んで、とか、あって」

研究者ちゃん「でも私は全然っ、そういうのじゃ、ないから……」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……そういう差別って、嫌い」

研究者ちゃん「……魔族の血が混じっていたって、普通に暮らせる人は多いのに」

研究者ちゃん「……馬鹿みたい」

研究者ちゃん「……」

33 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/01/05(日) 01:12:22.884 ID:gGPFVxxH0
研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……ありがとう」

研究者ちゃん「……ううん。今でも十分、助かっているわ」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……○○は」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……優しいね」

34 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/01/05(日) 01:13:36.863 ID:gGPFVxxH0
研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……うー」

研究者ちゃん「……あー……あれ?」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……○○、ごめんね……おぶってもらっちゃって」

研究者ちゃん「……こんなにならないはずだったけれど、はしゃぎすぎちゃったかな」

研究者ちゃん「……いま、おりるから、あれ、っと……」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……ごめんね」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「でも、らくちん……」

研究者ちゃん「……あたたかい」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……」

35 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/01/05(日) 01:14:28.532 ID:gGPFVxxH0
研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……きょうは」

研究者ちゃん「お礼、したくて、誘ったの」

研究者ちゃん「……きてくれて、よかったわ」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……これからも」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……頼りに、してる、から」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……」

37 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/01/05(日) 01:15:35.678 ID:gGPFVxxH0
研究者ちゃん「……今向かっている古代都市にはね、高度な魔法技術が存在していたの」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「ほら、大昔にこの辺りで魔族の大侵攻があったでしょう? その際に破壊しつくされてしまったのだけれど……」

研究者ちゃん「……一部、当時の魔族には侵略しきれなかった場所があったのね。そこが、今回の目的地。○○が最初から行きたかった場所」

研究者ちゃん「調査がある程度はされていて、それでも危険な場所だってことで、本来は一般人には立ち入り禁止なの」

研究者ちゃん「だから、ちゃんと私に感謝しなさいね。準備に意外と苦労したんだから」

研究者ちゃん「よろしい」

研究者ちゃん「……ふふん」

研究者ちゃん「……」

38 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/01/05(日) 01:16:08.447 ID:gGPFVxxH0
研究者ちゃん「……でも」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「○○は、今まですごく頑張ってくれたから」

研究者ちゃん「……本当は、もっとしてあげたいくらいなんだけれどね」

研究者ちゃん「……最後だし」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……まあ、その代わりでもないけれど、○○の目的は私が必ず叶えてあげるんだから」

研究者ちゃん「安心して、私に全てを任せなさい。ふふんっ」

研究者ちゃん「……」

研究者ちゃん「……」

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