貞子「私、VTuberになりたいんです!」

1 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/03/24(火) 16:46:16.523 ID:6B4EgFCS0
男「うっわ、なんかスパムメール来た。なんだ?」

『超えっちな呪いのビデオ!あなただけに配信中!』

男「めちゃくちゃ怪しいなオイ」

男「っちゅーか、えっちなビデオでいいだろ。なんで呪いって書いてんだよ。怪しさ増すだけじゃん」

男「はいはい。こんなのはスルースルー……ん?」

男「添付ファイル? こういうのって怪しいサイトのURLじゃねぇのか?」

男「形式は……mp4だな」

男「ってことは間違いなく動画ファイルか……」

男「流石にmp4データからパソコンがバグるとかねぇだろうし……開いてみっか」

ポチッ

2 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/03/24(火) 16:47:23.404 ID:KUmxLTje0
元からVtuberみたいなもんじゃん
3 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/03/24(火) 16:47:35.273 ID:Lln+mtyy0
ぼくは名取さなちゃん!
4 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/03/24(火) 16:47:56.472 ID:rrTFm9kup
去年やってた貞子でYouTubeから呪い広めてたぞ
5 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/03/24(火) 16:48:33.738 ID:/PlOfs500
貞子の正体は未来の電子ウイルスだし元々Vtuberみたいなもんだろ
10 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/03/24(火) 16:50:37.508 ID:n2hUmKUE0
>>5
貞子自身は厳密に言ったらウイルスじゃないぞ
貞子がああいう力を持つに至ったのはコンピューターウイルスによるものじゃないかって推測されてるだけで
6 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/03/24(火) 16:48:41.797 ID:ude8WUgZ0
花子「ぐぬぬ、貞子ちゃん上手い方法見つけちゃいましたね・・・液晶画面さえ有れば何でも有りですか」
29 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/03/24(火) 17:37:56.709 ID:yAUYMKUD0
>>6
トイレ無双の人に言われても
7 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/03/24(火) 16:48:54.631 ID:n2hUmKUE0
そもそもの話がビデオどころじゃなくて書籍からも呪われてるしネットなんて余裕だろうな
8 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/03/24(火) 16:49:01.010 ID:pVRK1HOm0
貞子は文字読むだけでもアウトだぞ
9 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/03/24(火) 16:49:57.059 ID:6B4EgFCS0
貞子「はいどうも~☆」

男「……」タブ消去

男「井戸? 井戸だったよな?」

男「今の完全にネットでよく見る呪いのビデオの背景だったよな?」

男「……あぁ、なるほど。 そういうコンセプトのAVなのか」

貞子「なんで閉じるんですか?」ヌイッ

男「うわっっっっ!!!!」

貞子「"うわっ"はやめてくださいよ"うわっ"は。まるで幽霊みたいじゃないですか。 そういう扱い、いじめっていうんですよ」

男「え? は? 今、画面から出てきたか?」

貞子「えぇ、そうですけど……どうかしました? まるで幽霊でも見たかのような顔をしてますよ?」

男「いや、その、あー……」

男「お前、幽霊だろ」

貞子「そうでした」エヘヘ

男「えへへちゃうねん」

11 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/03/24(火) 16:51:53.357 ID:wuaQ34aHa
ふたなり幽霊娘とかいうニッチな属性
需要ある
12 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/03/24(火) 16:54:00.007 ID:6B4EgFCS0
貞子「女子会しません?」

男「そもそも俺は女子じゃないんだが?」

貞子「私、VTuberになりたいんですよぅ!」

男「は? 俺は女子じゃないんだが?」

貞子「ツッコミどころ、頑なにそこなんですか……」

男「あー、もうわかったわかった。 Vtuberがなんだって?」

貞子「いやぁ~そのぉ~、流石に私も怖がられる時代はもう終わったっていうか~。そろそろ愛されたいなぁ~、なんて~?」

男「そっかー。そろそろ切っていい?」

貞子「通話かな?」

男「いや、電源だけど」

貞子「電源を切っても無駄ですよ。 私は幽霊なので」

男「じゃあどこ切ればいいの? 首?」

貞子「幽霊より怖いこと言うのやめません?」

13 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/03/24(火) 16:57:41.602 ID:6B4EgFCS0
貞子「まぁ細かい話は置いておきまして。 私はかまちょがしたいんですよ。 かまちょ」

貞子「Vtuberってなんか深夜とかでもバンバンかまって貰えてるじゃないですか」

貞子「何より、怖がらせるより愛される方が承認欲求満たせそうだなぁって」

貞子「それにほら、中の人とかあんまり関係なさそうですし。 おっさんでもいいなら幽霊でもよくないですか?」

男「お前今世界中のVTuberに喧嘩売ってるぞ」

貞子「えへへっ」

男「えへへちゃうねん」

14 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/03/24(火) 17:00:51.757 ID:6B4EgFCS0
貞子「とはいえやっぱり配信活動をするためには本拠地が必要なんですよ」

貞子「そこで、あなたのパソコンに住まわせていただきたいなぁ~、なんて」

男「俺にメリットがないだろ」

貞子「そうですか?」

貞子「あなた、今、"自分の状況"がわかっていらっしゃいます?」

男「あー……変な女に絡まれてる」

貞子「うふふ、あながち間違いじゃないですね」

男「こういうときは、素直に逃げるのが当然だろ?」

男「逃げないにせよヤバい人間……じゃねぇな。幽霊には関わらないのが得策じゃないか?」

貞子「私が幽霊じゃなくて人間だったら確かにそうだったかもしれませんね」

貞子「でも残念、私は幽霊です!」

貞子「──こういうとき、幽霊が獲物を逃がさないのも当然ではないでしょうか?」

男「……脅迫か?」

貞子「そう取っていただいても構いません」

貞子「幽霊に脅迫罪は適用されませんからね」ニコッ

15 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/03/24(火) 17:01:49.914 ID:sT/kAj1pa
貞子のエ口画像まだ?
17 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/03/24(火) 17:03:59.499 ID:6B4EgFCS0
男「……ちょっと考えさせてくれ」

幽霊「考えるまでもなく、あなたの選択肢は一択のはずです。……あ、自殺志願者の方でしたか?」

男「……あー、もー!わかったわかった!、パソコンを貸してやりゃいいんだろ?」

貞子「はい! 物分かりが良くて助かります」ニコリ

男「代わりに俺からも条件を出させてくれ」

貞子「へぇ、そう来ますか。いいですよ。この状況で条件を出す勇気に免じて聞いてはあげましょう」

男「俺の命は見逃せ」

貞子「何を条件に出すのかと思いきや、なんだ、ただの命乞いですか。 案外つまらない提案ですね」

貞子「いいですよ。最初っからそのつもりでしたし」

男「あと投げ銭は全部俺のもんな」

貞子「意外とがめついですね」

18 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/03/24(火) 17:06:24.109 ID:6B4EgFCS0
貞子「というわけで」

貞子「『ドキドキ☆彡さだこたんVTuberプロデュース大作戦!』の開始をここに宣言します!」

パッパラー

男「今の音どっから出た!?」

貞子「そのへんです」

男「どのへん?」

貞子「こほん。 とりあえずですね! 私はみんなに推されたいわけです!」

男「承認欲求とか言ってたもんな」

貞子「手始めに挨拶を考えたんで聴いてもらってもいいですか?」

男「やってみろ」

貞子「はいどうも~☆」

男「寄せるな寄せるな!パイオニアに寄せるな!最初の挨拶から気になってたけど寄せてるだろ絶対!」

貞子「スーパーインテリジェンス幽霊、貞子です!」

男「全力で寄せるな!」

貞子「寄せても谷間できないんですよ。 喧嘩売ってるんですか?」

男「胸の話はしてない!」

貞子「一瞬で何の話か理解するのやめてもらっていいですか?」

男「理不尽!」

19 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/03/24(火) 17:11:23.234 ID:JKcYsVkh0
面白い
20 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/03/24(火) 17:11:50.827 ID:6B4EgFCS0
貞子「パイオニアパイオニアうるさいですね。 そんなにオリジナリティが大事なんですか!?」

男「オリジナリティが大事というよりもパクリがダメだな」

貞子「いやでも権利関係とかで消されて転生したVtuberとかもいますよね」

男「消されちゃダメだから言ってんだよ!」

貞子「まぁもとより私は消えてるようなものですが」

男「……はぁ。 消えてる存在が承認なんて求めんなよな、全く」

貞子「そうは言っても、私は現にここに"います"からね。 存在するのかどうかは怪しい話ですが」

男「っていうかなんでVTuberとか知ってるんだ? 詳しすぎないか?」

貞子「そりゃあ幽霊だって時代と共に発展しますとも。 井戸の中にスマホありますし……」

男「めっちゃ現代的だなオイ」

貞子「ふふっ。冗談です」

貞子「私、時折色んな人に憑いてるんですが、マルチディスプレイの人なんかもいらっしゃるんですよ」

貞子「そういう人に当たったときにこっそり他の画面を見たりしてるんです」

貞子「なので、エ口漫画とかエ口動画にも詳しいですよ」

男「なのでじゃないんだよ」

貞子「八尺様のエ口漫画を読んでる人を見たときは流石に引きましたね。友達が出てるAVで抜いてる人を見たときの気分でした」

男「広告で見るやつやめろ。全くどういう気分かわからない例えもやめろ」

21 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/03/24(火) 17:19:20.061 ID:JKcYsVkh0
Vtuberまったく知らないからパイオニアとどんな繋がりがあるのか知らないけど面白いよ
22 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/03/24(火) 17:19:49.338 ID:6B4EgFCS0
貞子「とりあえず、私の完璧なキャラクタープランニングは発表させていただきましたが……」

男「そのプランニング、穴しかなくない?」

貞子「本当に文句ばっかですね。 じゃあどこから改善したらいいと思うんですか?」

男「あー……」

男「ちょっと……改善点が多すぎて……何から挙げたらいいかわからないな……」

貞子「無能!」

男「お互い様だと思う」

貞子「さだこちゃんはやる気を失ってしまいました、あなたのせいです。あーあ」

男「助かる。……っていうかマジで現代社会に馴染んでんな?」

貞子「スーパーインテリジェンス幽霊ですからね」

男「それ、パクリじゃなくて公式設定なの?」

貞子「むぅ。水掛け論ですねぇ。 とりあえずできることから始めましょう!

貞子「早速、私のチャンネルでも作りますか」

男「その必要はないぞ」

貞子「へ?」

男「俺、ときどき自作の動画を上げてるチャンネルがあってな。そこを使ってもらう」

貞子「え~。 私のプレミアム感がない~」ブーブー

男「収益化の問題とかあるんだよ。チャンネル登録者が既にそこそこ稼げてる俺のチャンネルじゃないとスパチャ申請できねぇんだ」

貞子「本当にがめつい人ですね!まったく!」

男「お前に言われたくはないな」

23 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/03/24(火) 17:24:11.917 ID:6B4EgFCS0
貞子「ちなみに、何の動画上げてるんですか?」

男「ボカロ曲にPV描いてみたとか、そういうやつだよ」

男「好きなボカロ曲の動画を気が向いたときに描いてるんだ」

貞子「へぇ、絵、描けるんですか」

男「まぁ、人並みには」

貞子「ふむふむ。 それは朗報です。 私のアバター絵師は問題ありませんね」

男「へ?お前、そのまま出るんじゃないの?」

貞子「本気で言ってます?」

男「いやだってお前画面の中にいるじゃん」

貞子「いやいや、私がこのまま出たらホラーでBANされますよ」

男「大丈夫だぞ、そのままでも十分かわいい」グッ

貞子「その"描くのめんどくさいからとりあえず持ち上げとこう"みたいな持ち上げ方やめてもらえます?」

男「お前って心も読めるの?」

貞子「心は読めないですが、今肯定されたということは十分伝わりました」

24 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/03/24(火) 17:28:52.740 ID:6B4EgFCS0
男「ダメか……」

貞子「ダメです」ベーッ

男「わぁーった、わかったよ。 どうせスパチャの申請期間もあるんだ。 描いてやるよ」

貞子「わーい」

男「一応描くんなら希望くらいは聞いてやる。 どんなイメージの絵がいいんだ?」

貞子「とびきりかわいくてとびきりキュートなのでお願いします。 愛嬌もあるといいですね」

男「実質かわいくしろしか言ってねぇぞこいつ」

貞子「可愛いだけでホイホイ釣られるのがオタクでは?」

男「オタクのことナメきってんな?」

貞子「何か間違ってます?」

男「何も間違ってない」

貞子「じゃあいいじゃないですか」

男「ちげぇんだよ! オタクっつーのはさぁ!」

貞子「あの、すみません。 その話、長くなります?」

男「突然常識人ぶるのやめない?」

26 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/03/24(火) 17:32:28.889 ID:6B4EgFCS0
貞子「とりあえず"ガワ"さえできたら完璧ってことでいいですか?」

男「よくないね、うん」

貞子「何が足りないというんですか! 私単体で完璧だというのに、そこにバーチャル肉体までつけたらもう、その、鬼にガトリングですよ!」

男「とりあえず強そうにしたらいいってもんじゃないと思う」

男「まず名前とかどうすんだ? 貞子で行くのか?」

貞子「『さだこたん』で。 ひらがなで『たん』までつけて、『さだこたん』で」

男「オタサーの姫か? オタサーの姫になりたいのか?」

貞子「所詮、オタクをはべらせるコンテンツなんで大差ないでしょう」

男「おっとこいつ、オタクどころかVtuberというコンテンツへのリスペクトも完璧に足りてないな?」

28 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/03/24(火) 17:36:08.522 ID:6B4EgFCS0
男「お前は……」

貞子「さだこたんです」

男「……貞子は──」

貞子「さだこたんです」

男「……なぁ」

貞子「さだこたんです」

男「……さだこたんは」

貞子「オタクきっも」ワラ

男「オァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」ガッシャーン!

貞子「やめてください!!!! ディスプレイを机に伏せるのはやめてください!!!!」

貞子「私!!!!暗闇恐怖症なんです!!!!怖いです!!!!怖いです!!!!」

男「暗闇恐怖症の幽霊がいるかよぉおぉおおおお!!!!!!」

貞子「やめてください!!!!腕立て伏せみたいになってる!!!!」

貞子「あ!!無理だこれ!!!!起き上がれない!!!!!!」

貞子「ちょっと!!上から押さえてるでしょう!!!!起き上がれない!!!!

貞子「貞子ディスプレイ!起き上がれない!私腕立て伏せ5回しかできない腕力なんですよ!?かよわい女の子なんですよ!?」

貞子「女の子いじめて楽しいですか!?!?」

男「ふはははははははは!!!!!!」

30 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/03/24(火) 17:38:00.227 ID:6B4EgFCS0
貞子「──というわけでですね」

男「すみませんでした」

貞子「呪いポイントが3上がりました」

男「何そのポイント」

貞子「察してください」

男「はい」

貞子「今後このようなことはないように気をつけてください」

男「はい」

貞子「そもそも女の子にこんなことしていいと思ってるんですか?」

男「はい」

貞子「はいじゃないです」

31 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/03/24(火) 17:44:07.255 ID:6B4EgFCS0
男「おま──

貞子「さだこたんです」

男「こほん。 さだこたんは特技とかないのか?」

貞子「特技、ですか? なぜそんなことを? お見合いですか? お断りですけど?」

男「とりあえずフるのやめない?」

男「ほら、VTuberにもFPSが上手かったり、話がおもしろかったり、歌が上手かったりと特徴があるやつが多いだろ」

貞子「ふむ。なるほど。確かにそうかもしれません。 特技──というよりは特徴でしょうか」

男「あぁー……確かに特徴とも言えるかもな。 何にせよ強みが欲しいところだ」

貞子「それなら、私には"幽霊"という最強のアイデンティティがあるじゃないですか」

男「それもそうなんだが……"幽霊Youtuber"ってだけならいっぱいいそうなんだよなぁ」

貞子「なんと。 私以外にも社会進出している幽霊の方々が?」

男「いや、だいたいただの設定だろうけど……」

貞子「だいたい? ははぁ、さてはあなた、時を止めるAVの1割は本物だと思ってるタイプですね?」クスクス

男「ほんと現代社会に馴染んでんなさだこたん」

貞子「ここで話してる私だって、ただのSkypeのライブ通話かもしれないですしね」

男「画面から飛び出てるよね?

貞子「3Dです」

男「思いっきりそのへん触ってるよね? さっきの腕立て伏せは一体何?」

貞子「先週アップデートされたんですよ。Skype」

男「すげぇなSkype」

32 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/03/24(火) 17:48:18.803 ID:6B4EgFCS0
貞子「むぅ。 特技と言えば……そうですね。 面白い話なら多少できなくはないですよ」

男「まぁ襲った人間の中には面白いやつもいそうだしな」

貞子「いやそういうのではなくてですね」

貞子「井戸の横のアリの巣を1ヶ月眺めてたときの話なんですけど……」

男「小学生かな? 暇を極めた小学生かな?」

男「そもそもあの井戸の空間、他の生物いんのか?」

貞子「いやまぁ、そりゃあ、いますよ。 田舎ですし、たまに熊とか出ますよ」

男「現実にあるの? 現実のものなの? あの井戸は?」

貞子「最近は暑いんで井戸に風鈴つけてるんですけど、風鈴ってクマ除けにもなるんですよ。 ウケる」

男「貞子もウケるとか言うのか……」

貞子「さだこたんです」

男「その謎のこだわりは何なんだよ……」

33 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/03/24(火) 17:51:52.435 ID:6B4EgFCS0
男「普通に襲った人間もそこそこいるだろ? そっち方面で面白い話のひとつやふたつあるだろ」

貞子「うーん。 そう言われてもですねぇ」

貞子「襲うときなんて逃げた先で命乞いをするか諦めるかしかないのでパターンは決まってるんですよねぇ」

男「さっき、ディスプレイから観察することもあるって言ってたが、そんときの中には何かなかったのか?」

貞子「え~……う~ん……」

男「そんな考えるものなのか……」

貞子「年齢別で分けて男性のオカズの傾向をメモってますけど、その統計データの発表でもします?」

男「おもしろそうだけど絶対BANされそうだな!うん!」

男「……? 待てよ?」

男「貞子……さだこたんは俺の、そのー。データもあるのか?」

貞子「ありますよ」シレーッ

男「即答かよ」

男「今すぐ消してくれ」

貞子「ふふっ。嘘です。ありません。 基本的に私はメールが届いてからパソコンの中に潜伏するんです」

貞子「大抵の人は怪しがってメールに添付された動画ファイルなんて開きませんよ」

貞子「──ですが、あなたは違いました。 長らく幽霊をしてますが、あなたみたいな人はとても珍しいですよ」

男「好奇心旺盛でいいだろ?」

貞子「物は言いようですね。 不用心の間違いでは?」

34 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/03/24(火) 17:53:21.303 ID:44zdh+xka
つホラーアカデミアン
35 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/03/24(火) 17:55:11.935 ID:6B4EgFCS0
男「まぁ、とりあえず、だ。 俺はさだこたんのモデルを作ってやる」

貞子「ふふん。 作らせてあげますとも」

男「なんで得意げなの?」

貞子「一重に私の魅力の賜物だからです」

男「脅迫だよね? 俺、脅迫されてたよね?」

貞子「まぁまぁ、よろしくお願いしますね」ウィンク

男「……」ハァーッ

男「まぁ、さだこたんは俺がモデルを作ってる間にキャラの確立でもしておいてくれ」

貞子「アリの観察でも進めておけばいいですか?」

男「その方向性はいらないな……」

貞子「このパソコン、パワーポイント入ってますか?」

男「オカズの統計データもプレゼンテーションにまとめなくていいぞ」

36 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/03/24(火) 17:57:53.209 ID:6B4EgFCS0
~三週間後~

男「おーい」ディスプレイコンコン

男「……? 寝てるのか?」

ティルルルン♪

男「!?」

貞子「襲い来るオタクたちには絶対負けない!☆彡」

貞子「きょーじんっ! むてきっ! さいきょーっ!」

貞子「幽霊系魔法少女ぉ~~~うっ! マジカル☆さだこたん! さんっじょーぅ☆彡」ピースッ

キュールルルン♪

男「……」

貞子「……」

男「……」

貞子「……きゅーるるん!☆彡」ウィンクパチパチ

男「……」プツン

貞子「ちょっと待ってください」

37 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/03/24(火) 17:58:40.583 ID:Aic/LYJc0
そういえばホラー路線のVtuberってまだいないよな
38 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/03/24(火) 18:00:48.271 ID:6B4EgFCS0
男「とりあえずお前が迷走してるのはわかった」

貞子「冷静に考えてみてください」

貞子「──幽霊系魔法少女、新しくないですか?」

貞子「もうこれ""世界""獲れますよ」

男「どっからその自信が湧いてくるのか知りたいわ お前が冷静に考えろ」

貞子「お前じゃないです!」

男「あぁ、はいはい、さだこた──」

貞子「私のことは今日からマジカル☆さだこたんとお呼びください!」

男「さだこたんの時点で相当キツいのにさらにハードル上げるのやめてくんないかなぁ!?!?」

男「まぁとりあえずその方向性は考え直しとけ。 な?」

貞子「知ってますか?呪いって"のろい"だけじゃなくて"まじない"とも読むんですよ」

男「だから何!?」

貞子「ふぇぇ~!マジカル☆さだこたんのおまじないを喰っらえぇ~!☆彡」

男「非常に物騒! まず言動だけ魔法少女なのに服装がいつものままなのが物騒さを隠しきれてない!」

39 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/03/24(火) 18:05:40.374 ID:6B4EgFCS0
男「とりあえずほら、キャラデザできたんだよ」

貞子「ほほぅ!! できましたか!? 私の変身後の姿!!!!」

男「突然仕様書に要素書き足すのやめてくれませんか?」

貞子「ふふっ。 冗談です」

貞子「──魔法少女じゃなくたって、これもある意味でひとつの変身なのかもしれませんが」

男「……こほん、とりあえず、こんな感じだ」スッ

貞子「ほうほう、ふむふむ、なるほどなるほど。──こういうのが好みなんですか?」

男「」ブフォ

男「ま、まぁ、その、幽霊少女っぽいだろ?」

貞子「黒髪ロングが?」

男「お前も黒髪ロングだろ」

貞子「でもこの絵の前髪はぱっつんです」マエガミクルクル

男「それはオタクの好みだ。 オタクは得てして前髪ぱっつんの女の子が好きなんだよ」

貞子「では、この白いワンピースは?」

男「オタクの好みだな」

貞子「この麦わら帽子は?」

男「それもオタクの好みだ」

貞子「ふむ、なるほど」

貞子「質問を変えます」

男「ん?」

貞子「男さんは、オタクなんですか?」

男「」ブフォ

40 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/03/24(火) 18:08:42.844 ID:6B4EgFCS0
男「さぁ、どうだろうな。そもそもどこからがオタクなのか……」

貞子「……ふふっ。そういう定義から入るところがいかにもオタクっぽいです」

男「……そうかい」プイッ

貞子「まぁまぁ、そう拗ねないでくださいよ。良いと思いますよ。オタク。

貞子「私も最近アニメ観てますしね。ネットフリックスで」

男「お前俺のPCめっちゃ活用してんな」

貞子「お前じゃないです。マジカル☆さだこたんです」

男「勘弁してください」

貞子「ふふっ。 オタクの好み、ですか」

男「どうしたんだよ」

貞子「いえ。なんでもないです。 このマジカル☆さだこたんで……いえ、私達二人で、そこらへんのオタクをけちょんけちょんに釣り上げちゃいましょうね!」

男「いい話……なのか? これ」

41 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/03/24(火) 18:13:50.705 ID:6B4EgFCS0
男「とりあえず俺はこの絵が動くように調整をしておく。 それが終わったら晴れ舞台だ」

貞子「いよいよ私のデビューというわけですね!」

男「そうだな。……Live2Dの設定は俺の表情でちゃんと動くようにしときゃあいいのか?」

貞子「らいぶつーでー? なんですかそれ?」

男「えーっと、この絵がさだこたんの表情に合わせて動くようになるソフトのことだ」

男「でも幽霊ってカメラに映らないんだろ?」

男「とりあえず俺の表情に合わせて動けるように調整しておけばさだこたんの方で合わせられるか?」

貞子「さぁ?」

男「えぇ……」

貞子「まぁ、でも、やってみましょう。 他に策もないでしょう?」

貞子「大丈夫です。上手くいきますよ。 気持ち程度ですがおまじないをしてあげます」

男「呪われそうなんだが」

貞子「のろいも、まじないも、誰かの願いを叶えるためにあるんですよ」

男「それが、幽霊でもか?」

貞子「さぁ? どうでしょう?」

貞子「まぁ、つべこべ言わないでください! いきますよ! もえもえ~っ!きゅんっ!」ハート

男「それが……おまじない……?」

貞子「えぇ、まぁ。 男の人ってこういうのが好きなんでしょう?」

男「……今夜はオムライスにするか」

貞子「はて? 何故でしょう?」

男「とりあえずさだこたんが毒されてるってことはよくわかったよ」

42 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/03/24(火) 18:14:59.112 ID:6B4EgFCS0
~1週間後~

さだこたん「ね?大丈夫だったでしょう?」ニコニコ

男「おぉ……。我ながら、ちょっと感動するな」

さだこたん「かわいいですか?かわいいですか?」ブンブン

男「Live2Dだから仕方ないんだが、横にしか動けないのシュールだな」

さだこたん「確かにちょっと動きづらいですね」ブンブン

男「だんだん100均で売ってる太陽光で揺れる花のやつに見えてきた」

さだこたん「なんですかそれ」ブンブン

男「愛嬌のある動きだなぁって話だよ」

さだこたん「とりあえずそれ以外の意味であることは把握しました」

43 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/03/24(火) 18:17:26.846 ID:6B4EgFCS0
男「とりあえず、そんだけ動けんなら放送するぶんには問題ねぇだろ」

さだこたん「えっへん」

男「めっちゃドヤ顔だけどほぼ俺の功績だからな??????」

さだこたん「失礼な。私だって、ただPrimeビデオやNetflixを観てるだけの生活だったわけではありません」

男「ほう、何してたんだ?」

さだこたん「アリの観察をしていました」

男「その方向性まだ捨ててなかったかー!そっかー!」

さだこたん「魔法の練習もしてました」

男「完全に小学生の日常だよね。もう。アリ観察してかめはめ破の練習する男子小学生だよね。もう」

さだこたん「……!」

男「その"かめはめ波の練習もしとけばよかった"って表情やめて」

さだこたん「パワーポイントがないぶん魔法の練習に打ち込めると思ったのに……」

男「どう転んでも生産性のない選択肢すぎない?」

44 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/03/24(火) 18:19:13.758 ID:6B4EgFCS0
さだこたん「とにかく、今の私に死角はありません!」ピョンピョン

男「むしろ見えてるものがねぇよ……」

さだこたん「ついでにTwitterで宣伝もしておきました。注目度もバッチリです」グッ

男「それだけでよかったな……」

男「おぉ、確かに注目度バッチリだな。 500リツイートもされてるじゃん。上出来だ。えらいぞ」ナデナデ

さだこたん「あの、男さん」

男「ん?」

さだこたん「何ディスプレイ撫でまわしてるんですか。キモいですよ」

男「え、いや、お前を褒めてやろうと思ってだな……」

さだこたん「私とディスプレイは別です。思い上がらないでください」

男「お、おう……そうか……」

さだこたん「あと彼女でもない女の頭を撫でようとする男はナチュラルにキモいです。思い上がらないでください」

男「なんでディスプレイ撫でただけで俺こんなに袋叩きにされてんの?」

さだこたん「そもそもどこから目線で"上出来だ"とか言ってるんですか?」

男「まだ殴られることある??????」

45 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/03/24(火) 18:21:21.267 ID:6B4EgFCS0
~当日~

さだこたん「緊張してきました……」ドキドキ

さだこたん「大人数の前で何かを話すことってないですからね……」

男「呪いのビデオ試写会とかなさそうだもんな……」

男「まぁ、大丈夫──かどうかはわからないが、どうせVTuberの初放送なんてたかが知れてっから!気にすんな!」

さだこたん「あ、めちゃめちゃハードル下がってきました」

男「なんでだよ。 いや言った俺が言うのもなんだけど、なんでだよ」

さだこたん「ふっふっふ、泥船に乗ったつもりで見ててください。 私の勇姿を!」

男「元よりそのつもりなんだよなぁ……」

46 名前:番組の途中ですが翡翠の名無しがお送りします 投稿日時:2020/03/24(火) 18:22:27.162 ID:6B4EgFCS0
—–
【幽霊VTuber】さだこたん初放送!【#1】

さだこたん「レディースエーンジェントルメーン」

さだこたん「ドゥルルルルルルルルル」
——

男「いやドラムロールのSEくらい用意しとけよ」

—–

さだこたん「クル……キットクル……」

—–

男「アイデンティティの発揮の仕方が雑い」

—–

さだこたん「はいどうも~☆ 私の名前はぁ~!まじかる☆さだこたん!きゅーるるん!」

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男「パイオニアをパクるなつったよなぁー!」

男「魔法少女も最後まで捨てきれなかったかー! そっかー! 魔法の練習してたらしいもんなー!」

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